くまなくチェックしたつもりでもたった1ヶ所の見落としで大きな問題に発展することがあり、とはいえ常に100%を求めて必要以上に時間をかけてしまってはビジネスとして成立しない。
“修正漏れはダメよ、でも時間をかけずに”という矛盾に満ちた作業でもある。
その反面、嬉しいこともある。クライアントが気づかないところに目がとどき感謝されたりすると、やる気がオリックスほどではないにせよストレスは確実にゆるむ。
前書きが長くなってしまったが、そんな校正ライフを長年続けてきた結果、思わぬ収穫があったように最近感じている。
それは・・・「間違い探し」が得意になる。
余暇に頭はなるべく使いたくないのだが、子どもたちとのふれ合いの中でどうしても“おとなPOWER”を見せなくてはならない瞬間が訪れる。
ある日子どもたちが間違い探しの答えを聞きに来たことがあり、手にとって探しているとふと思った。「校正と同じことをやってる!」。
どこが間違えているかを探す作業は、文字とイラストの違いはあれどまさに校正そのもの。さっさと見つけると子どもたちからは羨望の眼差しが・・・何がどこで役に立つのか、ほんとわからん。
いろいろ試していると、間違い探しの問題の傾向が見えてくる。以下、私なりの検証。
【初級】
- 手に持っているものがなくなる
- もともと無かったところに要素が増える
- 左右の向きが逆
- 満月から三日月など、形があきらかに違う
【上級】
- 特定のイラストの位置が微妙に左右どちらかに寄っている
- 影のつきかたが少し違う
- 印刷時のゴミレベルの超細かい箇所の違い
- 大きな物体の輪郭の線が少しだけ違う
そして、作成した人間の性格というか意地悪さも垣間見えてくる。
大抵の場合、答えが5個あるとすると1個が初級レベルならすべて初級なのだが、1ヶ所だけすんごい難しいのが隠れていたりすることがある。
「油断させておいて困らせる作戦」と感じずにはいられない。
ちなみに上の画像、3箇所の違いがあります。私はとっても意地悪です。
間違い探しは今日までずっと子供向けと思っていたが、この記事を書くにあたり検索したところ、高齢者用の脳トレ教材として用いられていることを知った。介護系のホームページでも配布されており、物忘れなどを含む認知機能低下の予防となるらしい。
「観察力や集中力を高めるとともに見つけたときのスッキリ感が脳に良い刺激を与えます。(ハートページナビより引用)」とのことだが・・・どうやら3歩歩けばすぐ忘れる“ニワトリ気質”の僕には効果がないようだ。
さて、新たな能力が身につくことを期待して、これからも校正していくとするか。物忘れは治らないが。
●間違い探しの答えはこちら→(右上のテントの「W」マーク、中央左のテントのストライプの色、中央のテーブルの位置)